制限酵素反応液計算機|ダブルダイジェスト
DNA量、反応液量、制限酵素の数と添加量を入力して、消化反応液の組成を計算します。
制限酵素反応の設定
分注用レシピ
| 成分 | 容量 |
|---|---|
| ヌクレアーゼフリー水 | 38.0 µL |
| 10X 消化 バッファー | 5.0 µL |
| DNA (1000 ng) | 5.0 µL |
| EcoRI-HF | 1.0 µL |
| BamHI-HF | 1.0 µL |
| 合計 反応 容量 | 50.0 µL |
反応時間:37°Cで30〜60分(HF酵素では15分の製品もあります。製品説明書を確認してください。)
反応液量の計算方法
制限酵素は4〜8 bpの二本鎖回文配列を特異的に認識し、リン酸ジエステル結合を加水分解します。1ユニット(1 U)は、50 µLの反応系で37℃、60分間に1 µgのλ DNAを完全に切断する酵素量と定義されます。
酵素量の初期目安
DNA 1 µgあたり5〜10 Uは、酵素量を見積もる際に使われることがある出発点です。ユニットの定義や推奨量は製品ごとに異なり、塩やエタノールの残留が反応に影響する場合もあります。酵素メーカーの説明書を確認してください。この計算機は消化完了率を予測しません。
ダブル消化共通バッファーの選定
複数の酵素に対応する反応バッファーを使うと、ダブル消化の調製を簡略化できる場合があります。ただし、バッファーの適合性と各酵素の活性は製品によって異なります。メーカーの適合性情報を確認し、必要に応じて段階消化や精製を検討してください。
アガロースゲル電気泳動バンドシミュレーション
アガロースゲル(1.0%)における制限酵素処理サンプルの泳動パターン比較:未切断プラスミドは超らせん構造により見かけの泳動度が変化し、シングル切断で正確な直鎖状サイズを示し、ダブル切断で目的インサートが切り出されます。
制限酵素の認識配列と切断末端
| 制限酵素 | 認識配列 (5′→3′) | 末端タイプ | 最適温度 | 熱失活 | スター活性対策 |
|---|---|---|---|---|---|
| EcoRI-HF® | G▼AATTC | 5′突出末端 (AATT) | 37°C | 65°C、20分 | 低め(HF製剤) |
| BamHI-HF® | G▼GATCC | 5′突出末端 (GATC) | 37°C | 製品説明書で確認 | 低め(グリセロール≤5%の場合) |
| HindIII-HF® | A▼AGCTT | 5′突出末端 (AGCT) | 37°C | 80°C、20分 | 低め |
| XhoI | C▼TCGAG | 5′突出末端 (TCGA) | 37°C | 65°C, 20 min | 中程度(長時間反応では確認) |
| NdeI | CA▼TATG | 5′突出末端 (TA) | 37°C | 65°C, 20 min | 認識配列にATG開始コドンを含む |
| NotI-HF® | GC▼GGCCGC | 5′突出末端 (GGCC) | 37°C | 65°C, 20 min | 8 bpの認識配列 |
| SmaI | CCC▼GGG | 平滑末端 | 25°C | 65°C、20分 | 製品説明書で確認 |
反応温度、熱失活条件、スター活性の特性はメーカーや製品によって異なる場合があります。使用する酵素の最新説明書を確認してください。
💡 ヒント:使用する制限酵素を製品説明書の条件で熱失活できず、後続反応が残存酵素やバッファーに対応していない場合は、ライゲーション前のDNA精製を検討してください。酵素とライゲーション試薬の説明書を確認してください。
酵素・バッファー条件の確認
スター活性(Star Activity)とは、制限酵素の認識配列特異性が低下し、非標的部位を切断する現象です。主な原因:
過剰なグリセロール (> 5%)
酵素原液にはグリセロールが含まれることがあります。酵素液の添加量が多いと反応に影響する場合があるため、製品説明書に従って反応液を設計してください。
過剰なインキュベーション時間
長時間の反応では、酵素や条件によって非特異的切断が起こる可能性があります。推奨時間を超える場合は、製品説明書を確認してください。
低イオン強度 / 高pH
酵素に適合する反応バッファーと水を使い、メーカー推奨の条件に合わせてください。pHやMg²⁺濃度は酵素活性に影響します。
計算例
計算実例:クローニングベクターのダブル消化直鎖化 (EcoRI-HF + XhoI)
50 µL反応系で1.5 µgのpET-28aプラスミド(濃度 250 ng/µL)を方向性クローニング用に切断。
- 1. ベクターDNA量:1500 ng / 250 ng/µL = 6.0 µL
- 2. 10X rCutSmart Buffer: 50 µL / 10 = 5.0 µL
- 3. EcoRI-HF (20 U/µL): 1.0 µL (20 U)
- 4. XhoI (20 U/µL): 1.0 µL (20 U)
- 5. ヌクレアーゼフリー水:50.0 − (6.0 + 5.0 + 1.0 + 1.0) = 37.0 µL
- QC: 酵素量 = 2.0 µL / 50 µL = 4.0% → グリセロール濃度 2.0% (≤ 5% 基準適合)。
よくある質問
反応液の計算には何を入力しますか?
反応総量、DNA量、制限酵素の数や添加量など、使用する反応条件を入力します。
ダブルダイジェストにも対応していますか?
はい。複数の制限酵素を選択して反応液量を計算できます。
反応液の合計量はどのように確認しますか?
各成分の計算量と指定した反応総量を照らし合わせてください。
酵素やバッファーの条件はどこで確認しますか?
使用する酵素製品の説明書に記載された推奨バッファー、反応条件、添加量を確認してください。